2012年2月15日水曜日

胸部単純写真

Interpretation of Plain Chest Roentgenogram
CHESTから胸部単純写真(CXR)のお話。

気になったところを抜粋
・放射線科医は70%の異常に0.5秒以内に気づく
・ 放射線科医が5秒以上読影に時間をかけても病変の検出率はほとんど変わらない
・システマチックアプローチを用いても10−15%の病変は指摘できない。(偽陽性も同じ)
・正面像(PA)では15%の肺野は心臓と横隔膜に隠れている。
 ・CPAが鈍になるには200−400mlの胸水貯留が必要
・ COPDなどによる横隔膜の平坦化は側面像でより容易に判明する。(前後の肋骨横隔膜角を結ぶ線と横隔膜ドームまでの距離が2.7cm未満で平坦化とする。)
・側面像で肺門部7時方向は黒い。気管分岐下リンパ節腫大があると7時方向が白くなる。
・ 側面像で胸椎は尾側へ向かうに従って透過性が高くなる。逆に透過性が低ければ下葉や後縦隔に病変がある。


2012年2月3日金曜日

子宮の造影CT

Radiographicsから
Normal or Abnormal? Demystifying Uterine and Cervical Contrast Enhancement at Multi- detector CT

通常、婦人科疾患を疑われた場合は画像検査としてまずエコー、次にMRIという優先順序である。通常はCTが第一選択になる事はないが、腹痛の精査などで偶然子宮の異常が発見される事がある。
造影CTで子宮体部と頸部がどの様に描出され、それが異常なのか正常なのかを説明している。

子宮体部
 Type1:内膜下かつ/または子宮筋層の外層が染まる
 Type2:子宮筋層が全体に強く染まる
 Type3:子宮筋層全体が淡く染まる(閉経後に多いタイプ)
これらは月経周期や造影剤の注入速度、撮影までの時間、心拍出量などで変化し、その意義はよくわかっていない。

子宮頸部
  子宮頸部の造影パターンはTarget状の三相構造が認められることがありMRIに類似している。体部でType3がみられた場合は三層構造は認められない。
子宮頸癌と正常の子宮頸部はともに体部と比べて造影効果が弱い。矢状断や冠状断で観察して子宮頸部と体部が明瞭に区別できる場合は正常の事が多い。

分娩後の子宮について
 分娩後6−8週までは子宮内腔が拡大していても正常。臨床的に感染を示唆する所見がなければ、3週間までは子宮内の空気を認めてもよい。
胎盤脱落部位の筋層は一部欠損したり血管増生が認められることがある。