2012年1月8日日曜日

CPFE

Combined Pulmonary Fibrosis and Emphysema Syndrome: A Review
CPFE(Combined pulmonary fibrosis and emphysema)のレビュー

肺気腫と肺線維症とは異なる現象である。
肺気腫では肺の弾性収縮力が減少し、コンプライアンスは増大、肺容積は増加、最大呼気流量は減少する。
一方で肺線維症では弾性収縮力は増加、コンプライアンスは低下、肺容積は減少する。最大呼気流量は保たれるかむしろ増加する。
肺気腫と肺線維症は独立した疾患で同一患者に認められるのは稀とされていた。しかし実際には肺気腫と肺線維化の病理学的変化の共存は喫煙者ではよく認められる。
肺気腫と肺線維症との合併患者(CPFE)では肺気腫単独、肺線維症単独の患者の肺機能検査とは異なり、肺活量、1秒量ともにほぼ正常で拡散能が著しく低下している(通常のスクリーニング検査では肺拡散能までは測定しない事がほとんど)。このため、CPFEの診断にHRCT(高分解能CT)が果たす役割は大きい。
 
CPFEの診断に関してコンセンサスは得られていないが、HRCTで特徴的な所見を呈する。肺機能検査で一秒量、肺活量も正常でありながら拡散能(DLCO)が異常低値を示す例ではCPFEを疑う必要がある。

CPFEの画像的特徴
CPFEでは上葉に気腫性変化、下葉に線維化が認められる。
CPFEでみられる気腫性変化は傍隔壁性肺気腫が多い。
CPFEの線維化では網状影、Honeycombingが見られるがすりガラス影もよく認められる所見である。
またCPFEでは肺癌の合併率が高いので偶発的に見つかる結節、腫瘤影には注意が必要。




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