2012年1月19日木曜日

痔瘻のMRI

痔瘻のMRI診断
 MR Imaging Evaluation of Perianal Fistulas: Spectrum of Imaging Features

・MRIシークエンスのポイント
始めにT2強調画像(FSE)矢状断を撮影する。これによって直腸に平行な冠状断と直腸の軸位断を得る事ができる。
脂肪抑制T2WIで膿瘍やtractが描出できることが多い。


・痔瘻の分類
 1) Parks分類

外科分類で直腸の冠状断面において内外括約筋(特に外括約筋がポイント)と瘻孔の位置関係でA~Dに4つに分類する。


A:Intersphincteric(括約筋間)
B:transsphincteric(括約筋貫通)
C:suprasphincteric(上括約筋)
D:extrasphincteric(括約筋外)









2)St James's University Hospital分類
放射線科医による分類。軸位断が基本なのでとっつきやすい。原発口だけでなく、2次口と膿瘍の有無で5つに分類。
Grade1:Simple linear Intrasphincteric Fistula
tractは常に内外括約筋の間にあって 外括約筋に包まれている。
Grade2:Intersphincteric Fistula with an Abscess or Secondary Track
括約筋間に原発口と2次口或は膿瘍があるが、二つは交わらない。
Grade3:Transsphincteric Fistula
内外括約筋を貫いて坐骨直腸窩、坐骨肛門窩を皮膚まで下降。
Grade4:Transsphincteric Fistula with an Abscess or Secondary Track in the Ischiorectal or Ischioanal Fossa
2次口や膿瘍と交通するもの
Grade5: Supralevator and Translevator Diseases
肛門挙筋付着部より上まで膿瘍が及んだもの。稀。



2012年1月8日日曜日

CPFE

Combined Pulmonary Fibrosis and Emphysema Syndrome: A Review
CPFE(Combined pulmonary fibrosis and emphysema)のレビュー

肺気腫と肺線維症とは異なる現象である。
肺気腫では肺の弾性収縮力が減少し、コンプライアンスは増大、肺容積は増加、最大呼気流量は減少する。
一方で肺線維症では弾性収縮力は増加、コンプライアンスは低下、肺容積は減少する。最大呼気流量は保たれるかむしろ増加する。
肺気腫と肺線維症は独立した疾患で同一患者に認められるのは稀とされていた。しかし実際には肺気腫と肺線維化の病理学的変化の共存は喫煙者ではよく認められる。
肺気腫と肺線維症との合併患者(CPFE)では肺気腫単独、肺線維症単独の患者の肺機能検査とは異なり、肺活量、1秒量ともにほぼ正常で拡散能が著しく低下している(通常のスクリーニング検査では肺拡散能までは測定しない事がほとんど)。このため、CPFEの診断にHRCT(高分解能CT)が果たす役割は大きい。
 
CPFEの診断に関してコンセンサスは得られていないが、HRCTで特徴的な所見を呈する。肺機能検査で一秒量、肺活量も正常でありながら拡散能(DLCO)が異常低値を示す例ではCPFEを疑う必要がある。

CPFEの画像的特徴
CPFEでは上葉に気腫性変化、下葉に線維化が認められる。
CPFEでみられる気腫性変化は傍隔壁性肺気腫が多い。
CPFEの線維化では網状影、Honeycombingが見られるがすりガラス影もよく認められる所見である。
またCPFEでは肺癌の合併率が高いので偶発的に見つかる結節、腫瘤影には注意が必要。




2012年1月2日月曜日

SAPHO症候群


SAPHO症候群はSynovitis(滑膜炎)、Acne(ざ瘡)、Pustulosis(膿疱症)、Hyperostosis(骨化症)、Osteitis(骨炎)の頭文字をとって名付けられた原因不明の症候群。
SAPHOは慢性再発性多巣性骨髄炎CRMO(chronic recurrent multifocal osteomyelitis)、胸肋鎖骨肥厚症SCCH(sternocostoclavicular hyperostosis)や掌蹠膿疱症性骨関節症PAO(pustulotic arthro-osteitis)を包括する概念。

SAPHOで認められる骨病変はsynovitis、hyperostosis、osteitisで皮質骨の肥厚を認める事が特徴とされている。
骨病変は胸鎖関節を中心とした胸骨、鎖骨、肋骨の他、仙腸関節、恥骨結合、椎骨、長管骨などでも認められる。


AJRのレビュー

The SAPHO syndrome: an evolving concept for unifying several idiopathic disorders of bone and skin.

Radiographics  CRMOのレビュー

Imaging of Chronic Recurrent Multifocal Osteomyelitis